病院事務から放射線技師を目指した理由

Myキャリア&Myライフ

私は大学の経営学部を卒業し、新卒で病院の事務職員として働き始めました。安定した医療機関での仕事に魅力を感じ、最初は「病院で働く」ということにやりがいを感じていたのを覚えています。

しかし、現実は思ったよりも厳しく、次第に「このままここでキャリアを続けていけるのか」と不安に思うようになっていきました。そして考えた末、最終的に放射線技師の夜間の部に通い、現在放射線技師として働いています。

今回は私が病院事務から放射線技師を目指した理由をまとめてみました。現在、同じような境遇の方に参考になれば幸いです。

給与が低く、昇給も限られる現実

一番、不安だったのが給与面です。新卒で就職すると手取り16万ほどしかありませんでした。

事務当直をすれば手当がでましたが、それでも18~19万ほどでした。

医師や看護師といった資格を持つ専門職が病院の収益を支えている一方、事務職員は「利益を生まない職種」という認識が強く、昇給の幅も小さかったです。

働き始めたばかりの私は「いつか努力が報われる日が来る」と信じていましたが、数年経っても目立った改善は見られませんでした。

役職者になっても、多少の給与アップは見込めますが、その分残業手当がなくなるので、就業後に経営会議などが頻繁にある役職者は時給換算すると割に合わないと感じました。

先輩の話を聞いても、役職がつかないと将来的に給与が大幅に上がる見込みはなく、「この仕事を続けても自分の人生が良くなるのか?」という漠然とした不安が心に広がっていきました。

雑務の押しつけと多忙な日々

事務職員は医療チームの一員として重要な役割を担っているとはいえ、具体的な業務の境界があいまいでした。

看護師やリハビリスタッフから雑務を押し付けられたり、時には「病院のイベントだから」と日々の業務に加えて関係のない業務のせいで残業せざる負えない日々が続くこともありました。

断りたい気持ちはありましたが、現場の雰囲気に押されてなかなか言い出せず、心身ともに疲れていくばかりでした。


一筋の希望:放射線技師との出会い

そんな中、放射線科の技師の一人がよく声をかけてくれたことが、私にとっての転機となりました。その技師は、もともと病院の事務職員として働いていた方で、自分のキャリアに限界を感じ、放射線技師を目指して転職したとのことでした。

「まだ若いし遅くないよ」と言われたとき、心の中に光が差し込むような気がしました。

それまで「専門職に今更勉強してなるなんて自分には無理だ」と諦めていたのですが、「この人ができたなら、自分にもできるかもしれない」と思えるようになったのです。

退職の決断と不安

放射線技師を目指す決意をしたものの、最初に働いていた病院を退職することには大きな不安がありました。「本当にこの道で成功できるのか?」という恐怖や、職場の人たちへの申し訳なさが心に重くのしかかっていました。

特に、事務職は人手不足だったため、上司からは「もう少し頑張れないか?」と引き留められました。ですが、私には明確な目標ができており、「このままでは何も変わらない」と自分に言い聞かせ、退職する決意を固めました。

退職の手続きを進める中で、放射線技師を目指す道を後押ししてくれた技師さんが、次の仕事を紹介してくれたことは本当に心強かったです。

夜間学校とクリニック事務職の両立

技師さんが紹介してくれた仕事はクリニックの事務職でした。働きながら夜間に放射線技師の学校へ通うという条件でも、雇用してもらうことができました。

最初は慣れない学業と仕事の両立に苦労しましたが、クリニックのスタッフはとても協力的で、勤務のシフトも柔軟に対応してくれました。

日々、学びながら仕事をする生活は充実しており、少しずつ自分が目標に近づいていると実感できるようになりました。

目標達成

4年間、クリニックでの勤務と夜間学校を両立した後、私はお世話になったクリニックを退職し、無事に放射線技師の資格を取得。放射線技師とて最初就職したのは200床ほどの療養型病院で、そこで新しいキャリアをスタートさせることができました。

今は当時働いていたクリニックとは別のクリニックで放射線技師をしています。

今の率直な気持ちは「事務職って、給与のわりに激務だったな」です。現在は心にゆとりをもって仕事をしています。

何より、専門知識とスキルを生かし、患者さんの役に立てる実感があり、大きなモチベーションになっています。

あのとき、踏み出してよかった

病院事務として働いていたころの悩みは、今では良い思い出です。もしあのとき、放射線技師の方と出会わなければ、そして一歩踏み出す勇気を持てなければ、今の自分はいなかったかもしれません。

病院事務から放射線技師への転職は簡単な道のりではありませんでしたが、その分、大きな成長とやりがいを感じています。

「自分の人生を変えたい」と悩んでいる人がいたら、少しずつでも行動してみることをお勧めしたいです。今回のこの内容が皆様の背中を押せるきっかけになれば幸いです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました